SDGsエデュテーメントコラム

 コラム17号『SDGsインデックス(指標・指針)のススメ!4/4』

2020/12/31

性別欄のない履歴書が発売されたのを知ってますか⁈
 
2020年12月23日、コクヨ株式会社から性別欄のない【履歴書】が発売されました。
これは7月に一般社団法人日本規格協会(JIS規格)の「帳票の設計基準」の解説に掲載されていた履歴書の様式例が削除されたことと、かねてからトランスジェンダー・マイノリティやジェンダー平等の団体から改善を求める署名活動等を受け、多様な個性を尊重した企業の取り組みとしてスピーディーな対応による発売でした。
 
とはいえ、性別欄のある【履歴書】がなくなった訳ではなく選択肢として加えられただけなのは、日本の企業体質もあるかもしれません。もちろん法律的には「男女雇用機会均等法(1972年)」などで男女の採用差別は禁止されていますが、一部の企業側、就活側にも固定概念があり、ジェンダー平等が全て解消されているとは言えず、【履歴書】に関しても賛否両論です。
ちなみにこのテーマに関係する【SDGs】の目標5『ジェンダー平等を実現しよう』においても、日本では実現困難な目標としてランキングされています。特に指摘を受けているのは、政界における女性議員や内閣でも女性大臣が少ないことや、企業においても役員の女性比率が低いことを世界からは問題視されています。
 
では欧米の【履歴書】はどうなっているのでしょう⁈
 
先ずは、文具店で【履歴書】は売ってません。自身で作成するのが基本です。
それから以前コラムでも紹介した、欧米の雇用の考え方が根本的に違っていて、それは職種に人材を選ぶ『ジョブ型』が基本で、日本の人材に職種を当てはめる年功序列の『メンバーシップ型』とは違うことを理解しておくと、この違いがよく分かります。ただし、日本も経団連の方針やコロナ禍におけるテレワークなどの影響もあり今年は『ジョブ型』雇用元年といわれていますので、今後は変わっていくはずです。
 
さて、【履歴書】の呼び方も欧米で違います。
アメリカでは【レジュメ】と呼ばれていて、英語の「a summary(要約・概要)」という意味のフランス語です。ヨーロッパ系では国によって違いもありますが、例えばイギリスやフランスでは【CV(curriculum vitaeの略/CVsということも)】と呼ばれ、英語の「course of one’s life(人生の道筋)」という意味のラテン語になります。
そして、欧米の禁止事項はだいたい同じですが、日本との違いには驚きです。
先ず違法なのは「性別」だけではなく、「年齢・生年月日」「住所(※個人情報の関係もあり番地や部屋番号まで記入する必要はない)」「顔写真(※EUの国によってはOKな所もある)」「結婚歴」「子どもの有無」「家族構成」「趣味特技(※特にアメリカでは仕事に無関係な内容は不要)」になりますが、他にも「健康状態」「前職の退職理由」「過去の給与」「逮捕歴」「国籍(※言語が何かと、国として合法化なのかの確認はOK)」「借金」などもありますが、州や国によっては大丈夫なところがあります。また、同時に解雇理由として「人種」「性別」「宗教」「年齢(40歳以下)」「肌の色」「障害者」等も禁止されています。
 
とはいえ、日本の人権人種問題の意識の差が低いのか、やはり「メンバーシップ型」雇用が原因なのか【履歴書】1つとっても明確に差が出ます。
とはいえ、フランスの議会では「名前(名前により民族的起源やルーツが分かることから)」すらなくそうという議案が出ることを考えると、日本の雇用スタンダードと海外雇用のスタンダードの差を縮めるには時間がかかりそうな気がします。
しかし、グローバル化や政府の意向もあり、徐々に「採用条件」等も移行されるでしょうが、その際は心配もあります。
なぜ?なら【本音と建前採用】の可能性があるからです。
例えば今回の【履歴書】のように、ジェンダー平等が募集要項に反映されたとしても、採用段階で従来の採用判断を人事が行えば、ダブルスタンダードとなり意味がありません。
それなら【本音と建前採用】ではなく、採用枠に『ジョブ型(スペシャリスト)』など本当に必要な人財と職種を今後はもっと明確に教えてください。そうすれば就活をする学生やスペシャリストたちも、欧米の【レジュメ】や【CV】の記入内容のように、学業や経験として、何を学び、何を習得し、その企業で何をしたいのか、また何が出来るのかが大事となり、しいては「就職問題」という教育的改革にも繋がります。
人事担当者様、是非ともご検討ください・・・。
 

コラムは、【SDGsインデックスのススメ!】の4回目ラストになります。
※連載中のエデュテーメントコラムですが、次回は2021年1月23日頃の予定です。
 
 

コラム17号 『SDGsインデックス(指標・指針)のススメ! 4/4』

 
 

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