SDGsエデュテーメントコラム

 コラム18号『水の意識が変わるプレゼンテーション 1/3(水道の民営化は都市のブランディングになるのか⁈)』

2021/2/1

「進取の気風(しんしゅのきふう)」を感じた浜松市のSDGs認知度アンケート
 
昨年、「浜松市」が18歳以上の市民に対して、『SDGs認知度アンケート』を令和1年に続き2回目の調査を開催しました。結果は、「名称や内容も知っている」と「名称だけは知っている」を合わせると、『SDGsの認知度』は、38.5%になったそうです。つまり6割以上の人はSDGsを知らないことになります。
しかし、令和1年のアンケートの認知度20.7%から比較すると、17.8%の上昇だと考えれば、「浜松市」の取り組み成果が出ているとわたしは評価しました。
 
そのアンケートを職業別でみると、「農林水産業(55.1%)」と「学生(53.9%)」、そして「勤め人(41.2%)」の認知が高く、自然環境に接する方々、教育、企業のSDGs活動からの周知が認知を高めているともいえる結果です。
また、「浜松市」は2018年「SDGs未来都市」に内閣府から選定された経緯もあり、独自で企業・団体・個人による幅広い活動の推進のための【浜松市SDGs推進プラットフォーム】を構築していて、市民の交流を図ったりと取り組み意識も高く、全国の市町村のSDGs認知度ランキングはありませんが、全市民のSDGs認知度において「浜松市」は上位に当たるのではないかと推測できます。
 
では、なぜ?「浜松市」は、SDGs意識が高いのか考えてみました。
 
現状、SDGsに関する法的な規制はありません。
ですから国連や政府、経団連の推奨はあっても当然ペナルティはなく、全てはその地域、企業・団体や学校、個人の「リーダーシップ」にかかっています。そういう意味では、「浜松市」の地域性の背景と都市運営に関わるリーダーが優れているのかもしれません。
そして「浜松市」は、市内にヤマハ、スズキ、カワイ楽器、ローランド、エフ・シー・シーなどグローバル企業も多く、その影響もありブラジル、フィリピン、ベトナム、中国、ペルーなど多国籍の人々が暮らしていて、ダイバーシティな文化共生の街づくりと共に、都市の未来ビジョン「50年先、80年先の『世界』を富ます」が、SDGsの2030年をマイルストーンと捉え、いい塩梅にはまったのかもしれません。
そして、調べて感じた一番の理由は、「浜松」という土地の風土というのか、江戸時代から続く民族的チャレンジ精神(地元では方言を使い「やらまいか精神」)の街だということです。
 
もちろん、SDGsを「やらまいか」の一言でまとめられるとは思いませんが、前回のコラムで「SDGsビジネス」のコンセプトがあるとしたらで表現した【ME】ではなく【WE】の精神が「浜松市」の風土である【進取の気風(しんしゅのきふう)】という、従来の習慣にとらわれず自ら進んで新しいものに「やらまいか(チャレンジ)」するという地域環境がSDGsにマッチしたのではないかと思います。
とどのつまり、【ME】という自己満足ではなく、年齢や国籍も関係なくみんなで一緒にやっちゃおう(やらまいか)という【WE】の精神が『SDGsマネージメント』に向いている都市だということです。
 
全国初となる水道事業(下水道)の民営化にチャレンジ(やらまいか)⁈
 
さて、そんな「浜松市」が2018年から取り組むのが、【水道事業の官民連携のアセットマネジメント計画】です。
 
これは、人口減少における税収を見据え、将来の老朽化や耐震化対策などの更新需要の費用負担の懸念を、民間へ運営委託方式(コンセッション方式)として導入することで、水道事業の未来経営を安定化する考えです。
そして、先ずは下水道事業の日本初の民営化が採択されています。ちなみに上下水道及び工業用水の全ての民営化が全国初となったのは「宮城県」で、他にも「大阪市」の上下水道などがコンセッション方式で進められようとしています。
 
しかし「浜松市」の現状は、市民や地元団体からさまざまな意見もあり、なかなか市民全員で「やらまいか」とはいかず、賛否両論飛び交うなかで進んでいます。これは「宮城県」も同様ですが、やはり【ライフラインの命の水】を、議会で決議し契約したとはいえ、不安もあり慎重にならざるを得ないが市民の本音です。
当然のことですが、契約した民間業者は、企業であれば利益を追求するものですし、経営方針・状況によっては、職員をリストラしたり、上場することもあれば、倒産の可能性だってあります。
 
とはいえ、全面的に反対したいのではありません。ただ、この答えは、単に批判や賛成反対するものではなく、市側も市民側も民間業者も、丸投げではなく【WE(3者)】で取り組み、状況によっては多少の方針変更も、その答えの範ちゅうとしてともに進めるべきテーマです。
そして何よりも思うのは、【日本人全員が水の問題意識を持たなければならない時代】になったと強く感じます。
 
日本に暮らすわたしたちは、ライフラインである【水】と【エネルギー(電気・ガス)】が、いつの間にかあって当たり前で、永遠に続くと思ってませんか?
 
本文へ続く
 
※次回のコラムは2月末頃の予定です。
 
 

コラム18号『水の意識が変わるプレゼンテーション 1/3(水道の民営化は都市のブランディングになるのか⁈)』

 
 

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