2026.03.21

2026年3月16日:第3回「SDGsとその先を見据えた理念経営・共感経済セミナー」シリーズ 開催記録

2026年3月16日:第3回「SDGsとその先を見据えた理念経営・共感経済セミナー」シリーズ 開催記録

開催概要

第3回「SDGsとその先を見据えた理念経営・共感経済セミナー」シリーズ

開催日:2026年3月16日(月)
会場:東京・浜松町 SEESAW
主催:いのち会議/一般社団法人 日本SDGs協会/大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)

  1. ご挨拶/丹治孝晃・吉條嘉家
  2. 基調講演/越後幸太郎氏「もう一歩先のフィールドへ人と技術で未来を“健”設する」
  3. コメント01/堂目卓生氏
  4. コメント02/伊藤武志氏
  5. 車座対話(参加者を交えた全員の意見交換)

 

講演概要のご紹介

*以下の概要はすべて、日本SDGs協会コミュニティ事業部が作成したものです。 

 

もう一歩先のフィールドへ人と技術で未来を“健”設する
――SDGs時代の理念経営と2030ビジョン

越後 幸太郎 氏(日本体育施設株式会社 代表取締役)

1971年創業の日本体育施設株式会社は、スタジアムや学校グラウンドのサーフェイス施工を主軸とし、世界陸上からオリンピックまで数々の国際大会の現場を支えてきた建設会社だ。歴代が積み上げてきた実績は近年ついに売上高100億円に達し、業界における同社の存在感は揺るぎない。代表取締役の越後幸太郎氏が同社の門を叩いたのは、学生時代の陸上競技経験から生まれた「速く走れるトラックを作りたい」という一念からであった。同氏は、現場監督・設計・製品開発を経て2023年に社長へと就任した。

入社後30年にわたる現場経験は、越後氏の視点を少しずつ広げた。特に新国立競技場の施工では、働く人の命を守ることこそが安全管理の本質であり、それが生産性の向上にもつながるという姿勢に深く触れ、自らの経営観を育む糧となった。製品開発においても、猛暑対策の「フィールド冷却細霧システム」、発がん性物質を含まないウレタン舗装材、マイクロプラスチックを捕捉する集水桝、国産ヒノキのおが粉を活用した人工芝など、競技者だけでなく施工に携わる人々や環境への配慮が重なり合うかたちで、技術が実装されている。

社長就任時、越後氏は「使う人の健康も作る人の健康も守りながら、健全なスポーツ施設を提供し、健全な経営を持続する」という言葉を社員に伝えた。その言葉は社員主導のビジョン策定プロジェクトの中で社員自身に拾い上げられ、「建設」の「建」を「健康」の「健」に置き換えた「“健”設」として、2030年ビジョンへと結実している。

越後氏は、速く走れるトラックを作りたいという個人の思いから出発し、現場や経営の経験を重ねる中で、使う人・作る人・社会全体の健康へと関心を広げてきた。その歩みのなかで、「心身ともに健康で豊かな社会の進歩・発展に貢献する」という企業理念が、自分の考えと重なってきたという。経営判断に迷うときには、理念へ立ち返ることでぶれない判断ができる。次世代が安心して働ける環境をつくることを見据え、その歩みは続いている。

 

車座の会・懇親会の様子

講演終了後、堂目氏・伊藤氏からコメントされ、さらに登壇者とフロアのみなさまとで一つのテーブルを囲み、「車座の会」が行われました。

講演に触発されたみなさまから質問や感想が寄せられ、越後社長から一つひとつ丁寧にお答えいただきました。

対話が進むごとに、「やりがい」がひとつのキーワードとして浮かび上がりました。越後社長の出発点となった自らの理想や、企業理念に刻まれた人びとや社会への貢献といった公共性など、金銭や条件だけでない共助・共感が、SDGsへ向けて組織や人びとを動かす原動力となることを確認できました。

ご参加いただいたみなさま、まことにありがとうございました!